当ブログ「クロウル」を運営している、藤井貴司です。
今回は「AppSheetとGemini API学習ガイド」連載の第1回目として、AppSheetに搭載されているAI機能を使ったアプリ開発をご紹介します。
「AIをアプリに組み込む」と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、AppSheetならノーコードで簡単に実装できてしまいます。
今回のゴールはこれです。
「顧客からのフィードバックをフォームで送ると、AIが内容を読んで『要望』や『クレーム』に自動で分類してくれるアプリ」
ステップバイステップで解説していきますので、ぜひ一緒に作ってみてください。
0.ゴールイメージ
この記事を最後まで進めると完成するものを確認しておきましょう。

- 内容だけを入力し、Saveします。
IDと日時は自動で入力されます。
カテゴリは選択しないでください。 - AIが内容を読み取るまで待ってください。
- 詳細画面を見てみると、カテゴリが自動で選択されています。
それでは、始めましょう!
1.準備:スプレッドシートとアプリの作成
まずは土台となるデータ(Googleスプレッドシート)を用意しましょう。
スプレッドシートの準備
新しいスプレッドシートを作成し、ファイル名とシート名を両方とも「フィードバック」にし、
1行目にヘッダーとして以下の4つを入力してください。
- A1セル:ID
- B1セル:日時
- C1セル:内容
- D1セル:カテゴリ

AppSheetアプリの生成
AppSheet(https://about.appsheet.com/home/)を開き、
「Create」→「App」→「Start with existing data」から、「App nameをフィードバック」にし、先ほど作った「フィードバック」シートを読み込みます。
データ型の設定
AppSheetエディタのDataからフィードバックをの設定を以下のようにします。

そして、カテゴリ列のEnumのValueに以下の選択肢を追加します。

AppSheetのAI(Categorizeタスク)は、このEnumの選択肢を自動で認識し、この中から最適なものを選んでくれます。
そのため、ここの設定がそのままAIへの「選択肢の指示」になります。
2.Automation(自動化)の作成
次はAIを動かすための「自動化ロボット(Automation)」を作ります。
- 左メニューのAutomation(ロボットアイコン)をクリック
- Create my first automation(または、+ Create a new automation)をクリック
- Create a new botをクリック
- ボット名を「New Bot」から「フィードバック分類ボット」に変更しておきましょう。

3.Event(イベント)の設定
「いつ」AIを動かすかを設定します。
今回は「新しいデータが追加された時」です。
- 「Configure event」をクリック。
- イベント名を「フィードバック追加時」にする。
- 右側の設定パネル(Settings)で以下を設定します。
- Table:フィードバック
- Data change type:Addsだけにチェック(UpdatesとDeletesのチェックを外す)

これで、「フィードバックテーブルに追加があった時だけ」動く仕組みになりました。
4.Process(処理)の設定
ここがいよいよAIの設定です。
「何をするか」を定義します。
- 「+ Add a step」 → 「Step nameにAIカテゴリ分類と入力」 → 「Create a new step」をクリック。
- 右側の設定パネル(Settings)で「AI task」を選択。

5.AI taskの詳細設定
ここが今回のハイライトです。
AIに具体的な指示を出します。
右側のパネル(Settings)で以下の3つを設定するだけでOKです。
①AI task
『What AI will do with the data(AIに何をさせる?)』と書いています。
ドロップダウンから『Categorize』を選択します。

【参考】AI taskの選択肢
ドロップダウンには、以下のようなタスクが表示されます。
目的に応じて使い分けましょう。
| 英語表記 | 英語の説明文 | 和訳 |
|---|---|---|
| Extract(抽出) | AI extracts information from image, file, or text | 画像、ファイル、またはテキストから特定の情報を抽出します。 |
| Extract rows(行抽出) | AI extracts and saves multiple rows from image or file | 画像やファイル(レシートや請求書など)から、明細などの「複数の行データ」を抽出して保存します。 |
| Categorize(分類) | AI categorizes row information into defined categories | 行の情報を読み取り、定義されたカテゴリに分類します。 |
| Summarize(要約) | AI summarizes row information from selected columns | 選択された列の情報を読み取り、要約を作成します。 |
②Input column
『Columns used as input to the AI task(AIタスクへの入力として使用される列)』と書いています。
AIに判断材料として読ませる列を指定します。
今回は顧客の声が書かれている『内容』列を選択します。

③Output
『Save to table』が選択されていると、以下の説明文が表示されます。
『Select columns to define the expected output. AI responses will be saved to these columns in the table.(期待される出力を定義する列を選択。AIの応答はテーブルのこれらの列に保存されます。)』
AIが判断した結果を保存する場所です。
ドロップダウンで『カテゴリ』列を選択します。

6.保存と動作テスト
設定、お疲れ様でした!
これで完成したので、右上のSaveボタンを押して、設定を保存しましょう。
では、実際に動くか試してみます。
- Dataに戻り、プレビュー画面の「+」をクリックし、フォームを開きます。
- 内容に「もっと商品を安くして欲しいです。」と入力し、Saveをクリックします。
※カテゴリは入力しないでください。 - 同期は完了するのを数秒待ちます・・・
- フィードバックシートを見ると、

自動的にカテゴリ列に『要望』と入力されていれば成功です!
「商品が壊れていました」と入力すれば、『クレーム』、
「ありがとう」なら、『感謝』が入力されるはずです。
まとめ
今回はAppSheetの「AI task(Categorize)」を使って、自動分類アプリを作成しました。
ポイントを振り返ると・・・
- 分類させたい項目を『Enum型』で作っておく。
- Automationで『AI task』を呼び出す。
- What AI will do with the data(AIに何をさせる?)で『Categorize』を選択する。
これだけでAIをアプリに組み込めるのは、AppSheetならではの強みですね。
次回の記事では、さらに一歩進んだ活用法を紹介する予定にしています。
それでは、また!


